トラウマは克服できる!ボストン大学医学部主任教授の論文から考えられたトラウマ克服法とは?


トラウマで苦しんでいますか?

辛いでしょう・・・

私はある出来事がきっかけとなったトラウマですごく苦しみました。

でも、今はなんとか克服できています。

今もトラウマで苦しんでいる人達に少しでもお役に立てるよう、

私が実行した方法をお話したいと思います。

トラウマとは?

トラウマとは、医学用語では心的外傷とも呼び、強い精神的ストレスを受けた後に、

ある程度の時間が経ってからPTSDなどの精神障害を引き起こす『心の傷』の事です。

PTSD
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは、日本語で『心的外傷後ストレス障害』と呼び、深い心の傷(トラウマ)を受けた後に、ある程度の時間が過ぎても、
・過覚醒(何もないのにずっと気持ちが高ぶる)
・無感覚(喜びや悲しみなどの感情を感じられない)
・抑うつ(気分が落ち込んで何もできない)
・不眠
・不安
・集中力の低下
などの症状が現れる精神障害の事。

トラウマの原因としては、

災害・犯罪・事故などに巻き込まれたり、虐待・暴力を受けたり、病気・ケガ・周囲の人の死などが挙げられますが、

自我が目覚める前の乳児期では、育児放棄や厳しい環境の中での育児などでも強い精神的ストレスを受ける事がありますし、

自我が目覚め始める乳児期では、親の不仲や無関心でも強いストレスを感じてトラウマになる事があります。

トラウマが理解されにくいのは、体の傷のように目に見える傷ではなく目に見えない心の傷だという事がありますし、

人それぞれ価値観の違いで、ある人にとっては「何でも無い」出来事が、ある人にとっては深い心の傷になる事もあります。

そして、トラウマに対しての周囲の理解・関心の低さがPTSDなどの精神障害へ追い込む事もあります。

トラウマを消そうとしてはいけない?

ボストン大学医学部精神科主任教授であり、トラウマセンター医療主任のベッセル・A・ヴァン・デ・コーク医学博士の研究論文では、

トラウマの原因となった過去の出来事に焦点を当ててトラウマを消そうとするより、

今の自分の感覚や行動に目を向けて、新しい自分を創り出す方がトラウマを克服できると語られています。

つまり、トラウマを克服するためには、

トラウマになっている記憶を無理に消そうとするより、トラウマになっている記憶を整理した上で、

トラウマを乗り越える体験を積極的に実行して、今の自分がトラウマを乗り越えた時に感じた喜びや楽しみを味わって、

トラウマになっている記憶を書き換える方が治療効果があると語られています。

トラウマを克服する為には記憶を書き換える?

同じ体験をしても、人それぞれの価値観で記憶の残り方は変わります。

例えば・・・

入院して見舞客が一人も来なかったとします。

寂しがり屋で人恋しいAさんは、

Aさん
Aさん
誰も見舞いに来てくれなかったよ…寂しい…

と思うでしょうが、

独りが好きで人間嫌いのBさんは、

Bさん
Bさん
誰も見舞いに来なくて良かった~!ラッキー!

と思うでしょう。

このように人それぞれの価値観で、ある人にとっては最悪の出来事でも、他の人にとってはラッキーな出来事でもあるのです。

つまり、トラウマになるほど辛い記憶でも、角度を変えてみる事で

「あれで良かった…」

という記憶になり得るわけです。

例えば…

大好きな恋人にフラれて

私
辛いよ…苦しいよ…もう死にたい…

なんて思った記憶があるとします。

この記憶をそのままにしておけば、ただの辛い記憶ですが、この記憶を

私
でも、あの時フラれたからこそ今の主人と出会って幸せな今があるんだわ!

と思い直せば「あれで良かったんだ…」というラッキーだった記憶に書き換えられます。

つまり、トラウマの原因となっている「辛い出来事」を「ラッキーだった出来事」に置き換える事で、

「辛い記憶」を「ラッキーだった記憶」に書き換える事が出来るという事です。

私が実行した記憶を書き換える3ステップ!

ボストン大学医学部のベッセル教授が論文で語っていたように、トラウマを乗り越える為には、

Step1
トラウマになっている記憶を整理する
Step2
トラウマを乗り越える体験を積極的に実行する
Step3
トラウマを乗り越えた時に感じた喜びや楽しみを味わう

という3つのステップで、トラウマになっている記憶を書き換えます。

Step1:トラウマになっている記憶を整理する

まず、トラウマになっていると思われる記憶をメモに書き出して、トラウマになった出来事を客観視して下さい。

書き方は自由で構いませんが、Step2で注釈を入れていきますので、書きたい事が複数ある場合は箇条書きにして行と行の間を空けておいて下さい。

それと、実際に書き出す時は、感情を入れないように無機質な文にする事をオススメします。

例えば、

・子供の頃イジメにあった

空白

・彼氏にひどいフラれ方をされた

空白

という感じです。

私が初めて実行した時は、辛かった出来事を細かく書こうとしたために、当時の辛かった感情まで呼び戻してしまって、

途中で書けなくなって数日間は立ち直れませんでした。

感情や細かい状況まで思い出す必要はありません。

実際にあった出来事だけを無機質に箇条書きしてみて下さい。

それと、この作業は非常に辛い作業になりますので、

途中で辛くなったらすぐに中止した方が良いですし、書き出す前に「ヤバいかも…」と思ったら迷わず延期して下さい。

心も体も調子が良い時に実行する事をオススメします。

Step2:トラウマを乗り越える体験を積極的に実行する

トラウマを乗り越える体験を実行するというのは、

辛かった記憶を違う角度から見直して、

「あの出来事があったから私の今がある」

という記憶に書き換える作業です。

具体的には、メモに書いたトラウマになっている記憶の文の下に

「あの出来事があったから私の今がある」

という思いを書いていきます。

そして、必ずあの時の自分を褒めてあげて、お礼を言ってあげて下さい。

例えば、

・子供の頃イジメにあった
 あの時イジメにあって辛い思いをしたおかげで、心を傷つけられる人の気持ちが分かった。
だからこそ、他人を傷つけるような事をしなくて済んでいるし、困っている人に優しくしてあげられる人間になれた。
あの時の私、苦しかったけどよく頑張ったね。
おかげで優しい人になれたよ。
ありがとう!      

・彼氏にひどいフラれ方をされた
あの時あの人と別れたからこそ今の優しい彼氏と出会う事ができた。
あの時は死にたくなるほど辛かったけど、ひどいフラれ方をされたおかげであの人を憎む事ができた。
きっと優しくされていたら、いつまでもあの人への想いを引きずって今の彼氏に出会っても付き合う気になれなかったはず。
あの時の私、辛かったのによく耐えたね。
おかげで今の優しくて素敵な彼に出会えたよ。
ありがとう。 

という感じです。

私は自分のメモを書きながら泣いてしまいました。

辛かった当時の記憶が蘇ったからではありません。

当時の私の頑張りを今の私に認めてもらえたからです。

あの当時の私に

「本当に頑張ったね!ありがとう!」

って心の底から感謝できました。

そして、あれだけ憎かった相手を少しだけでも許す事ができたような気がしました。

Step3:トラウマを乗り越えた時に感じた喜びや楽しみを味わう

Step2まで出来たら、自分の心に注目して下さい。

あの辛かった記憶は、違う感情の記憶に変わっているはずです。

何だか少し暖かい気持ちになっていませんか?

あなたはもうトラウマを乗り越える事ができたんです。

その今の暖かくなった気持ちをよく味わって下さい。

ただ、その心の暖かさは一時的なものです。

このままトラウマが消えてしまう訳ではありません。

何かの拍子に、また辛い記憶としてあなたの心を冷たく凍らせようとします。

その時は、またこのメモを読み返して下さい。

そしてまた、少しでも心の暖かさを感じて下さい。

これを「もう立ち直れたかな?」と思えるまで、ずっと繰り返していきます。

私の場合、自分で「立ち直れたかも…」と自覚できるまでに、6か月ほどかかりました。

始めたばかりの頃は毎日辛くなってメモを読み返していましたが、

だんだんと2日に1回になり…3日に1回になり…一週間…10日…一ヵ月…

と、少しずつ辛い記憶が蘇ってくるスパンが長くなっていきましたので、

心配せずに続けてみて下さい。

私の経験上、諦めずに続ける事がすごく大事だと感じています。

まとめ

私の場合、PTSDを治すために心療内科に通っていました。

服薬とカウンセリングと認知行動療法で治療していましたが、あまり効果はありませんでした。

もし、この記事を病院に通っていらっしゃる方も読んで下さっていたら、

病院の治療と並行してやってみると良いかもしれません。

少なくとも私は、この方法を知って実行してから少しずつ変われたような気がしています。

私が実行したこの方法に限らず、必ず突破口はあります!

諦めないで本当のあなたを取り戻して下さいね!

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